魚津の食と文化に触れる“大人の”ための「産業観光ツアー」の第2弾が3月20日、魚津市内で開催されました。今回のテーマは「魚津の水が育む、発酵と熟成」。味噌やチーズ、日本酒といった発酵食品をはじめ、江戸時代から続く伝統技法「天然灰汁発酵建て」を用いる「藍染め」の体験、そして、魚の鮮度を極限まで保つために行う技術「神経締め」を施した“熟成魚”の食べ比べなど、発酵を切り口に、さまざまなプログラムを提供しました。






当日は事前予約した30名が参加。移動中も楽しんでもらおうと、バス車内では発酵にまつわるクイズや、じゃんけん大会などを行い、正解者には「おもてなし」の思いを込めて、ホタルイカの素干し、魚津米などをプレゼントしました。同行した当社宮野の「元気ですかー!」の掛け声とともに、和気あいあいとした雰囲気でツアーがスタートしました。

魚津の暮らしに息づく発酵文化に触れる


最初の目的地は、「無添加天然醸造 宮本みそ店」が手がける、里山の古民家を改装した甘酒とジェラートの店「BOBO.」。店主の宮本晃裕さんが、名物の甘酒を振る舞い、店の成り立ちや、発酵食品がどのように暮らしに根づいているのかを紹介しました。木の折(おり)に入っている真っ白な生糀を見た参加者からは、驚きの声が上がりました。

引き続き、同会場で、藍染め屋「aiya」店主の南部歩さんによる藍染めの布を使用した「あずま袋」のワークショップを行いました。あずま袋とは、風呂敷や手ぬぐいを直線縫いで袋状にした、日本の伝統的なカバンです。裁縫が得意な人、悪戦苦闘する人、互いに教え合う人たち、参加者同士が自然と交流する、温かい時間が流れました。藍染めのしぼり模様が入ったカワイイあずま袋に、さっそく物を入れて使う姿もありました。





体験のあとは、お待ちかねのジェラートの試食。甘酒を原料とし、砂糖を最小限に減らしたヘルシーなジェラートです。「甘酒ミルク」と季節限定の「ポンカン」味の2種。罪悪感なく食べられるスイーツに、参加者からも笑顔がこぼれました。

続いては、モッツァレラチーズ作り体験です。魚津市内の多目的交流センター「もくもくホール」を会場に「くろべ牧場まきばの風」の浜田一さんが講師を務めました。湯煎した生乳に酢を入れ、湯の中でこねたり、水の中で少し固めたりを繰り返すことで、チーズができあがります。生乳の変化を体感しながら、発酵の仕組みを楽しく学びました。ツアーの最後には、このチーズを食材に使った発酵食ディナーが提供されます。



日本酒に“熟成魚”に ヘルシーな「発酵ディナー」を味わう


“大人の”ツアーで「発酵」と言えば、やはり日本酒は欠かせません。一行は一路、魚津の老舗酒販店の「長岡酒店」へ。代表の長岡貴啓さんから日本酒にまつわる話を聞きながら、お待ちかねの試飲です。今回は、地元酒蔵「魚津酒造」の新酒の中でも、さらに貴重な「上澄み」を特別に用意。「上澄み」とは、酒を搾った後のタンクのなかで、透明の部位だけを無ろ過のまま詰めた酒のこと。長岡さんが、おもむろに瓶の蓋を開けると、まさかの出来事が。シャンパンのように勢いよく日本酒が噴き出しました。いささか元気すぎる(?)「発酵」の力を間近で感じられる瞬間。日頃なかなか体験できない、こんなハプニングも、本ツアーの醍醐味の一つです。



締めくくりは、一連の発酵文化を一皿で味わう、「銀河食堂 掛」での特別な「発酵ディナー」です。
まずは、漁師兼締め師の浜多虎志さんから、魚の「神経締め」の技術について、動画などを用いて解説を受けました。今回は、事前に神経締めし、熟成させたフクラギ(ブリの幼魚)を用意。参加者の目の前で丁寧にさばき、そのまま刺身で提供します。神経締めして熟成させた刺身と、一般的な刺身を食べ比べします。鮮度そのままに熟成させた刺身は、心なしかしっとり、もっちりとして旨味が増しているように感じます。参加者からも驚きの声が聞こえます。



いよいよ乾杯の時間。「銀河食堂 掛」店主の丸本郁さんが腕によりをかけた、この日だけの特別な一皿が提供されます。宮本みそ店の味噌や塩糀、そして、体験で作ったモッツァレラチーズを使用した、見た目も美しい料理がテーブルを彩ります。

酒と料理の美味さも相まって、参加者同士の会話も弾み、ディナーは終始、和やかな雰囲気に。終了後も、追加でドリンクを注文する人や、引き続き、飲食街「柿の木割」に繰り出す姿も見受けられ、魚津の発酵文化を通じて、人々の交流が“熟成”される、心温まるツアーとなりました。

魚津の水や自然、人の営みがつくり出してきた発酵文化は、この地域ならではの大きな魅力です。
今後も、魚津ならではの資源を活かしたツアーを通じて、地域の魅力を発信していきます。


【担当者の振り返り】
自称“晴れ女”のスタッフ、吉森が同行したためか(笑)、当日は晴天!気温も暖かくツアー日和の1日になりました。準備中はスタッフ自身が「これ楽しそう」「自分もやってみたい」「魚津の良さを伝えたい」という気持ちで、楽しく進めることを大切に取り組みました。
帰り際、参加者からは「本当に楽しかった」「魚津に住んでいても知らないことがたくさんあり、気づかせてくれてありがとう」「これからも続けて欲しい」と沢山の嬉しい声を掛けていただきました。アンケートでは、「大満足」が26名、「まあまあ満足」が4名と、参加者全員が満足と回答。
「魚津を再発見できた」「また参加したい」といった声も多く寄せられました。また、ツアー時間や訪問場所数についても「ちょうど良い」との回答が大多数を占めました。
一方で、「もう少しゆっくり体験したい」「買い物の時間がほしい」といった意見もあり、今後の改善点も見えてきました。今後ますます満足いただけるツアーを造成していきます。