
魚津市内を流れる片貝川・布施川・角川では、6月16日午前5時からアユ釣りが解禁されました。先月には富山県呉東内水面漁業協同組合によって約3万匹の稚アユが放流されており、川では釣り人たちが友釣りを楽しんでいます。このシーズン到来に合わせ、魚津水族館も先月から恒例の「若アユ」展示が始まっています。展示の魅力や生態などについて同館飼育研究係の森美月さんが解説します。

―市内の河川で放流が行われましたが、天然のアユが遡上(そじょう)するケースはありますか
「当館の横を流れる早月川では、毎年自然遡上のアユが確認されています。放流を行っていない小さな河川などでも、天然のアユの遡上が見られます」
―アユの生態について教えてください
「川と海を行き来する『両側回遊(りょうそくかいゆう)』が特徴の一つです。アユは秋に川の下流域で産卵します。孵化(ふか)した仔魚(しぎょ)はそのまま海へと流されます。海で動物プランクトンなどを食べて5センチほどに成長すると、翌春、再び川へと遡上します。川の中・下流域で付着藻類などを食べて大きく成長し、秋に産卵して1年の生涯を終えます」
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―1年以上、生きることは無いのでしょうか
「アユは『年魚』とも呼ばれ、自然界の個体は1年で一生を終えますが、飼育下ではイレギュラーなケースもあります。例えば、当館の展示水槽内には去年のアユが数匹残り2年目を迎えました」
―展示水槽内には何匹ほどのアユがいますか
「今年は150匹以上を導入しました」
―飼育する上で注意していることはありますか
「自然界では限りある川底の付着藻類を食べるため、他の魚と比べてアユは縄張り意識が強いです。エサの量が少ないと強いアユばかりが成長してしまうため、エサをこまめに、多めに与えています。この時期は成長期のため、1日に最高5回エサを与えるときもありますね。正直、アユがここまでよくエサを食べる魚とは知りませんでした」
―エサの量が多いと水質管理も大変そうですが
「もちろん水質の維持には注意しています。バランスも見ながら適切にエサやりをしています」
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―水槽内にはほかの魚も混泳しているようですが
「比較的小さい水槽には川底に生息するヨシノボリ類とウキゴリ類の魚がいます。一方で、大きい水槽内にはウグイやカワムツ、オイカワなどがいます」
―川の魚が暮らす水槽を作る上で意識していることは何ですか
「水槽の数や形が限られる中で、上流、中流、下流に分けて河川環境を水槽内に再現しています」
―入館者へ展示のコンセプトや生態を伝える工夫を教えてください
「タイミングを見計らって説明するように心がけています。特にエサやりの時間は、子どもたちが注目して近寄ってくるので、説明するチャンスです。水槽前には可愛らしいパネルも設置しています。パネルは先輩が制作しました。いずれは私も制作してみたいですね」
―アユを含むさまざまな水生生物に興味を持ってもらえるような施策を魚津水族館は打ち出していますね
「興味を持つきっかけが多方面にわたるため、当館としても企画の打ち出し方には知恵を絞っています。『食べる』といった食の領域や『釣り』などの漁法の領域、魚の漢字から興味を持つようになってもいいと思います。さまざまな視点からきっかけを生み出し、水生生物そして当館を含む水族館に興味を持ってもらえるように取り組んでいます」

―最後に来館者の皆さまへアユ展示のPRをお願いします
「若い小さなアユが観察できるのは今だけですし、珍しい2年目を迎えたアユも展示しています。この時期の展示を逃さずにぜひ、早めに見に来てください」
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