
生成AIの業務利用を促すセミナー「デジタル活用実践セミナー第3弾 応用編」を、7月3日に魚津商工会議所で開催しました。講演では、「AIエージェント」による業務システム構築や、情報検索時に生成AIが自社サイトを引用・推奨させるための手法「AIO(AI最適化)」対策などを、最新の事例とともに講師が紹介しました。当日は官民のさまざまな事業者から30人以上が参加しました。

本事業は事業者支援を目的に魚津市が主催し、当社が企画運営するセミナーで、3回目を迎えました。講師には、富山県新世紀産業機構の富山県よろず支援拠点生産性向上支援センターでサポーターを務める林拓生さんが登壇。生成AIが自律して、ユーザーの求める回答やタスクをこなすための簡易なシステム設計や、設計したシステムを利用した実演などが多数披露され、従来の生成AIの講演よりも一歩踏み込んだ内容となりました。

特に参加者から注目を集めたのが、GAS(Google Apps Script)を使ったWebアプリ制作でした。Googleスプレッドシートで制作したメニュー表を、当日の資料に記載されたプロンプトに従って生成AIに学習させると、飲食店で利用できるアプリが完成しました。スマートフォンにアプリを読み込み、座席番号やメニュー、人数などを入力すると、自動でデータが共有・集計されます。
生成AIを利用すれば、コストをほとんどかけずに簡単なWebアプリをオーダーメイドで内製できることが分かります。また、飲食店に限らず、在庫管理やシフト管理などのアプリも制作可能です。
このほか、生成AIが複数のPDFファイルを学習・処理して集計や分析を行うデモンストレーションや、パソコン操作の動画からのマニュアル制作など、さまざまな活用方法が説明されました。
トレンドになりつつある「AIO対策」について、心構えや必要な対策を解説
一方でAIO対策については、SEOとの違いとともに、Googleの公式見解に基づいた必要な対策などが紹介されました。林さんは「『AIに認識してもらう』『SEOで上位に表示される』、そのいずれにおいても高品質なコンテンツを作成することが重要です」と説明しました。その上で、生成AIは冒頭のテキストデータなどを解析して取捨選択や回答に活用するため、テキストの冒頭に結論を記載して情報発信する重要性を強調しました。また、経験や専門性、権威性、信頼性を網羅した情報発信も、SEOと同様にAIOにも欠かせないといいます。
終盤は、セキュリティ対策について説明されました。AIに与えた指示やデータによって精度が変わる「ハルシネーション」や、AIが読み込む情報に誤った指示や情報を仕込む「プロンプトインジェクション」など4項目について紹介し、同時にそのリスクについても例示しました。また、林さんは「生成AIを活用する上でデータが整備されていないと、ハルシネーションなどが起こるリスクがあります。自社の名刺データや請求書情報、契約情報などが整備されていなければ、まずはデータ化することを推奨します」と呼びかけました。
参加者からは「具体的な事例を勉強できた」など好評の声
閉会後に実施したセミナーの満足度調査では、回答者のうち90.9%が「満足」や「とても満足」と評価しました。理解度についても「理解できた」「よく理解できた」が63.7%を占めました。参加者からは「具体的な事例を勉強できたので、今後に役立てていきたいです」といった感想が寄せられました。