
ネッツトヨタ富山(笹山泰治社長、富山県富山市)は7月28日、トヨタ自動車の次世代モビリティ「e-Palette(イーパレット)」の自治体向け説明会をネッツトヨタ富山本店で開催しました。トヨタグループ企業の担当者が車両性能や具体的な活用事例などについて説明しました。また、試乗体験なども行われ、参加者からは「想像以上に小回りが効いて驚きました」「けっこう加速力がありますね」などの声が上がりました。トヨタ自動車の発表によると一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実証などをすすめ、将来的に自動運転レベル4(特定条件下における完全自動運転)に対応したモビリティサービスの実現を見据えた開発が進められています。

e-Palette(イーパレット)は、2025年より販売・提供を開始した次世代BEVモビリティです。充電時間は急速充電を使用した場合、満充電の8割まで40分程度で充電できます。定員は運転手を含めて17人です
全長4,950ミリメートルはアルファードよりも短く、全幅は2,080ミリメートル、全高は2,650ミリメートルとなります。担当者によると「コースターなどの大型マイクロバスと比較すると走行しやすい」とのことでした。

現在、魚津市などを含む各自治体では地域住民の移動手段の一環として、コミュニティバスなどを運行しています。ただ、足元の運転手不足に加えて、将来の自動運転への対応や脱炭素化への取り組みなどを踏まえると、e-Palette(イーパレット)のような次世代モビリティが既存車を代替する可能性が年々高まっているといえます。

車両の内外装などには、さまざまな人の利用を想定した工夫が随所に見られました。乗降時、ドアの開放に合わせて車高を下げて電動スロープを出せるため、車イスでの乗降が可能です。また、スライドドアは親子が手を繋いだまま乗り降りできる開口幅です。


安全性については、衝突時の衝撃を低減する独自フレーム構造や、降車時に後方からの自転車や車の接近を検知して音や表示などで警告する「安心降車アシスト」、ドア開口時にドライブへのシフトを電子的に制限して誤発進を防ぐ「ドア開閉時動力遮断システム」などを取り入れています。特に安全が求められる公共交通において、車両骨格など基本構造やシステムに施された充実の安全対策は、導入する側にとっても心強いのではないでしょうか。

一方で、公共交通以外の活用事例についても担当者は紹介しました。スポーツイベントとコラボした実証事例では、e-Palette(イーパレット)が試合後の観客を送る際に、車内に設置した大型モニターに試合終わりの選手を映し出して、オンラインで会話ができる機会を提供しました。また、セレクトショップやスイーツショップとしての活用、移動診療としての提案例などが示されました。さまざまなニーズに寄り添ったうえで、e-Palette(イーパレット)の普及を推し進める構えです。

当日は雨の降る中、試乗会も開催されました。県内各市の職員や交通事業者などの関係者約30人が参加しました。BEVならではの加速力をはじめ、静粛性や駆動性能の高さを実感していました。また、コックピットには複数台のモニターが設置され、車両情報などが一目で確認できる設計となっているほか、ハンドルの取り回しは、電子信号で操舵する「ステアバイワイヤ」が採用され、ハンドルの持ち替え不要で運転可能なため、女性や小柄な方でも大変運転しやすく容易に右左折ができます。
今後、県内におけるe-Palette(イーパレット)の普及を見据えて、ネッツトヨタ富山では、整備工場などを拡充します。すでに本社には工場を新設したほか、高岡店も移転オープンと合わせて新設する計画があります。

トヨタ自動車が満を持して発売したe-Palette(イーパレット)。新たな公共交通サービスの要となれるのか、今後も目が離せません。